九州場所観戦マナーのお話

 九州場所も気が付けば十一日目…早いものです。そんな連日大盛り上がり(休場増えちゃいましたのでそうとも言い切れないかもしれませんが…)の九州場所ですが、観客席の観戦マナーについていくつか苦言が呈されることも多々あります。

 初めての観戦の際、よくわからないから周りに合わせよう…という方も多いでしょうし、それがマナー違反(もしくは規則違反)とは知らずに、やってしまっていることも多いかもしれません。ぜひ、規則やマナーを理解したうえで楽しく観戦いただけたらなと思い、いくつかまとめてみることにしました。もう残りわずかですが、千秋楽に行かれる方や来年以降、九州場所で観戦される方の参考になれば幸いです。


もくじ

  • 座布団や物を投げるのは禁止
  • 集団でのコールなどの禁止
  • ヤジではなく声援を
  • 口笛・指笛はナンセンス
  • 行司の軍配が返ったら静かに
  • 行司の軍配が返ったら席を移動しない
  • 他人の指定席に座らない
  • 通路に足を出す、物を置く、腰かけるなどしない
  • 力士に触る、握手・サインをお願いなどしない
  • 力士の入り待ちで通路・売店前をふさがない
  • 溜席での飲食は禁止
  • 溜席にはカメラ持ち込み禁止
  • ごみは放置しない

■座布団や物を投げるのは禁止

 テレビで大相撲を見ていると、横綱が下位力士に土をつけられた際に、たくさんの座布団が舞うさまを見て、横綱が負けたら『座布団を投げなければならない…』と思い込まれている方も多いのではないでしょうか。

 しかし、実際は禁止事項となります。座布団を投げる行為自体は【暴行罪】にあたりますし、溜席の観客にあたれば【傷害罪】を問われかねません。座布団ですら上記の様な罪に問われますので、その他様々なものを投げ込むのも犯罪にあたります。
 もし、何かしら投げ込んだことのある方は、重々反省の上今後は行わないようにしてほしいと思います。
 さて、とは言うものの昔から何かしら投げ込んでいた名残ではないのか?伝統は大事にしろ…という意見も出てくることと思います。

 確かに昔は、屋号の入った法被を投げ込んでいましたので、その名残とも言えなくもありません。横綱に勝利した力士を称賛するために屋号の入った法被を投げ込んでいたのです。
 何のために投げ込んでいたのかというと後日、その法被を使いの者が返却に伺います。その際、勝利力士を称えて、金品をお渡しするために法被を投げ込んでいたのです。

 人によっては『横綱!ふがいないぞ!』って気持ちで投げている方もいらっしゃるかもしれませんが、勝利した力士へ賞金を渡すために投げ込むわけですから、それなら勝利力士に後程、【お心づけ】として十数万つつんで渡してあげるのが良いと思います。是非そうして欲しいものです。

 ちなみに、上記の法被の制度はなくなりましたが、代わりに懸賞という制度ができました。取組前に土俵上を色彩豊かな懸賞幕が回っているあれです。企業であれば15日間、1日1本以上かける事で申し込みが出来ます。特定の力士の取組や結びの一番、大関戦と言った指定も出来ますので、検討してみては如何でしょうか。

勝ち力士への懸賞

■集団でのコールなどの禁止

これも九州場所でよく見かける光景かもしれませんが、相撲競技観戦契約約款の第9条で以下のように記載があります。


第9条(応援行為)

第1項何人も、主催者の許可を得ることなく、相撲競技観戦に際し、以下の各号の応援行為をしてはならない。

  • 1. トランペット、太鼓、笛、金物類その他の楽器またはこれに類する物を使用した応援
  • 2. 応援旗、横断幕等の他の来場客の相撲競技観戦に支障を及ぼす虞のある物を使用した応援
  • 3. 観客を組織化しまたは観客の応援を統率して行われる集団による応援
  • 4. その他主催者が別途指定した方法による応援

第2項何人も、相撲競技の応援において、主催者が適宜定める注意事項を厳守し、また、主催者の職員等による指示に従わなければならない。第3項本条1項の許可の基準及び手続は、別途、相撲協会において定める。


相撲協会公式ウェブサイトより

 第1項3に記載の通り、集団による応援にあたります。力士当人も(聞く限り)相撲への集中などの視点からあまり好ましく思われて無いようですから、通常の声援で応援するのが良いのではないかと思います。

■ヤジではなく声援を

 これは、規則などではないのですが、土俵上の力士に対して、『負けろ!』や『卑怯者!』などヤジを飛ばすのではなく、あくまで応援のための声援を送ってほしいというお願いの様なものです。

 声を上げている方は気持ちが良いのかもしれませんが、周囲の人にとっても不快ですし、土俵上でよい相撲がお互いに取りにくくなることもあります(意外と四方八方から聞こえます)

 せっかく楽しく相撲を見るのであれば、悪いところを見るのではなく良いところを見て応援してください。

■口笛・指笛はナンセンス

 横綱土俵入りをはじめ、立合い中などでも口笛・指笛が響き渡ることがありますが、相撲の世界観とはミスマッチです。特に横綱土俵入りの際、耳を澄ましてほしいのですが、最初に行司さんが「しーーーー」っと声を発しています。これはお静かに…という意味です。地中の邪気を鎮める横綱土俵入りですので是非厳粛にご観覧ください。

■行司の軍配が返ったら静かに

行司さんの軍配が返るとは、制限時間が一杯になり、これから立合いが始まる合図でもあります。

実際に軍配が正面を向くのですが、初めて相撲を見る際などは分かりにくい合図かも知れません。十両以上の力士は、軍配が返る前には必ず、タオルで体を拭く動作が入りますので(力士によっては、呼出しさんが差出すタオルを断ることもありますが)その後の仕切りで立合いになると覚えておいてください。

静まりかえった場内で、力士の息遣い…行司の待ったなし!の声、僅かな沈黙の後、ドンっと鈍い頭と頭がぶつかる音が響き渡るや、少し甲高い『ハッキョイ!ノコッタ!』を合図に会場内から地鳴りのようにのような歓声が響く

そんな静と動の緩急が相撲の醍醐味とも言えますので、是非軍配が返ったら静かに立合いを見守りましょう。

軍配が返っていない状態
軍配が返った状態

■行司の軍配が返ったら席を移動しない

 前項の行司の軍配が返ったら、静かに…に似ていますが、軍配が返るとこれから立合いが開始されます。そのため、このタイミングで席を移動すると、後方のお客様がせっかくの相撲を見られなかった…という残念な状況を作り出してしまいます。

 ひょっとしたら、後ろの方にとっての御贔屓力士の取組で、その日1度しかない見どころなのかもしれません。そういった点も踏まえて、席の移動は呼出し中や仕切り中、審判の交代中などを見計らって迅速に行うようにしましょう。(たまに、行司さんや呼出しさんのファンの方もいらっしゃいますので、基本的には迅速に席を立ち視界を遮らないように心がけてください)

見えません…

■他人の指定席に座らない

 これも散見される絶対にやめてほしい禁止事項です。早い時間帯でまだ来ないだろうからと勝手に他人の指定席に座って観戦される方が多数見受けられます。マス席だけでなく溜席でも。たまに溜会席にカメラを持ち込み撮影している方もいらっしゃいました。そういった行為は、その場所の所有者に多大なる迷惑をかける可能性が高まります(場合によっては権利はく奪、寄付金の返還は行われません)

 また、マス席にしても溜席にしても企業の接待としてお得意様を招待されている場合もあります。その席に見知らぬ人が勝手に座っている、なんか席を汚している、酒こぼしているじゃないか!!!!みたいなことがあればそのお得意先との関係にも影響を与えるかもしれません。まだ空いているだろうから…という勝手な理由で他人様が購入した席に座って観戦するというのは、留守宅だから勝手に上がってテレビ見ててもいいよねってのとそんなに変りない行為であることを認識いただきたいと思います。

 なお、テレビで見ていて入れ替わってないかな?みたいな席もありますが、ああいった席は、溜席を知り合い間で複数や溜席とマス席を準備して、座る方を入れ替えながら観戦している場合ですので、それと混同しないようお願いいたします。

■通路に足を出す、物を置く、腰掛けるなどしない

これも、とっても多い

なんでまたこんなに誰しもやってしまうのか…と言うぐらいひどい状況です。

通路は1人が通るのがやっと…と言う程度の幅しかありません。そこに物を置いたりすれば躓く人も出るでしょうし、それが飲み物などだといろんな方に迷惑がかかります。

マス席に座っているのがきつい時は、合間を見てロビーなどで足を伸ばすなど、周囲の人の迷惑にならないように気をつけましょう

飲み物が置いてあり、足が投げ出され、腰かけられている通路

 また、通路に足を出すように座ると、自然とマス席内でも前の方に体が来ることになります。そうなると隣のマス席の後ろの場所に座っている方の視界をかなり遮ることになります。当人は全然気ににならないのでしょうが、隣のマス席の方からしたら迷惑でしかないので、このような座り方をするのは避けるようにしましょう。

足を通路に出して座られると視界がかなり遮られることになります。

 ちなみに、足のにおい…気になりますから、普段からムレムレの靴を履いていらっしゃる方は、シュッとひと吹き靴用の消臭剤を使用しておきましょう。(マス席・溜席の場合)

■力士に触る、握手・サインをお願いなどしない

 九州場所は力士の出入り口もお客様の出入り口と同じところにあります。そのため頻繁に力士と遭遇します。また、土俵への出待ち中の力士もお客様の通路で待つことになるため、とても近い距離で立っている状況です。

 しかし、そのような力士の体に触れたり、握手やサインをお願いするのは大変失礼にあたります。例えるなら受験中や入社試験中、大事なお客様との会議中に「ファンなんです、握手してください」と言われるようなものです。(九州場所は本場所なので、その場所の成績が番付や給料のプラスアルファに直結します

 では、力士に触りたい!、握手やサインをお願いしたい!という方は、どうしたらよいのか。。。ぜひ巡業を見に行ってください。ファンサービスも豊富に行われます。力士たちも番付にも影響しないため比較的、よく対応いただけます。

 本場所中の力士は真剣そのものです。ぜひそっと見守り、取組中に大きな声援を送って応援しましょう。

 巡業のスケジュールなどは、公式ウェブサイトの巡業スケジュールを確認するとよいと思います。

 相撲協会公式ウェブ巡業スケジュール

■力士の入り待ちで、通路・売店前をふさがない

 九州場所は、力士の入り口も一般客の入り口と同じく国際センター南側の入り口となっています。その為、入ってくる力士を見ようと入り口付近に人だかりができてしまいます。入口付近は通路でもあり、またお土産コーナーもあることから、入り待ちの方は黄色と黒の縞模様テープで囲まれた場所内でお待ちくださいと案内があっています。

 しかし、人だかりすぎてもう足元のテープすら見えない状況で、それでも一目見ようと売店の前に固まってしまっていることがほとんどです。相撲雑誌やのぼりを販売している区画になるため、そこに入らないと選べない場所ですが、なぜか入り待ちをしている人が【ここは俺が入り待ちしているんだ!】と抵抗しています。販売の迷惑にもなりますのでお店の商品が並んでいる前はふさがない、所定の場所で待つというルールを厳守するようお願い致します。

■溜席での飲食は禁止

 土俵のそばで迫力のある取組を観戦できる溜席(砂被り席)ですが、飲食は一切できません。入場の時に先着でいただけるもち吉さんの力水なども溜席では飲むことはできません。必ず、一度席を立ち、ロビーやベンチ、キッチンカーコーナーなどで水分補給や食事を行うようにしてください。

 力士の真剣勝負を見る席ではなく、真剣勝負に立ち会う席だという認識でお願いします。

■溜席にはカメラ持ち込み禁止

 溜席にデジイチ(デジタル一眼カメラ)等を持ち込み写真を撮ろうとする方がいらっしゃいますが、溜席はカメラの持ち込みが禁止されています。むしろ必要最低限の持ち込みのみとなっています。

 溜席は、その土俵への近さの点から力士が転落もしくは走り抜けていくなど、様々なハプニングが起こります。その際、いろいろな物品がそこにあった場合、破損することも考えられますし、何より力士がケガをする可能性も高まります。人気力士をあなたがケガを負わせたって事になったらどうしますか?想像しただけでぞっとしますね。そういったことも念頭に置いて溜席には座るようにしてください。

 ※ちなみに溜席で観戦中に力士が転落してきてケガを負っても会場内の診療所にて当日の処置を行うのみでその後の補償等は一切ない規約となっていますのでご注意ください。

溜席の注意事項

■ごみは放置しない

 弓取り式が終わり、さあ帰ろうかと周りを見渡すと、ごみがそのまま残されているマス席を見ない日は無い…というほどに放置されているごみが結構あります。ごみ箱は各所に設置されていますので是非、ごみ捨てをしっかりやって清掃の方々のご負担を少しでも軽くする気持ちで…

などなど…

といろいろと書き出してみましたが基本的に観戦規約を読む時間もなく来場される方がほとんどだと思います。しかし、他のお客様に迷惑が掛かっていないか、力士が迷惑をしていないか等を意識していれば大体問題ないのですが…なんでこんなに…と思うこともしばしばです。そこにアルコール入りますから本当に、みんなが楽しめるようなそんな九州場所になればなぁと思います。

備忘録
※2019/11/21 項目追記
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hindkill

大相撲の現地観戦は、ほぼ九州場所のみ。他は基本BS、地上波、abemaTVになります。 不動産関連や消防設備関連も職業柄触れることが多いですが、個人的にはビジネス書を読み、モバイルアプリに時間を奪われ、気になることが多すぎてどれが確かな趣味なのか少々難しい日々を送っております。

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